早稲田大学狂言研究会の日記

早稲田大学狂言研究会 公式ブログ

  • 投稿者:きんに君

壬生狂言
国立劇場 民俗芸能公演
2006年6月24日 13:00開演
国立劇場・小劇場

番組
『焙烙割』
『大原女』
『土蜘蛛』

家を出る時間を間違え、開演三分前に息を切らせながら国立劇場に到着。
一緒に券を買ったC.X.氏がすでに席で待っていた。席は一列20番、最前列のど真ん中。

よく知らない、と言う人のために解説。
壬生狂言は、京都市中京区の壬生寺に伝わる民間芸能で、正しくは「壬生大念佛講」と言います。
現在は春・秋・節分の年三回、地元の人々によって上演されています。
もともとは、鎌倉時代の末期、壬生寺の住職だった円覚上人が、仏の教えを何百人もの人に、一度にわかりやすく伝える手段として考案したそうです。
なんでも、かの新選組も見たことがあるとか。

感想。派手で、泥臭い公演でした。
200枚もの焙烙を一度にかち割ったり、婆さんが舞台の真ん中で立小便をしたり、土蜘蛛が糸を盛大にばら撒いたり。
蜘蛛の糸はC.X.氏いわく「梅若六郎のほうがすごい」そうですが、こちらの蜘蛛の糸には、「財布に入れておくとお金がたまる」という、実にありがたいご利益があるそうです。僕も頂きました(笑)
焙烙のかけらも無病息災のお守りになるそうですが、こちらは頂けませんでした。
狂言と言うものも、「猿楽」と言われていた昔は、このような俗っぽいものだったのでしょう。

今回の公演に出ていたのは、みなさん壬生の一般の方で、他に本業をお持ちだそうです。いわば「セミプロ」みたいなもんでしょうか。
肩肘張らずにのびのび演じているのが、いいところですね。