早稲田大学狂言研究会の日記

早稲田大学狂言研究会 公式ブログ

タコザンギが食べたくなりました。

昨日は酷い風と雨でしたね・・・新歓見学会が中止になってしまい残念でした。
その代わり今日は雲ひとつない晴天ですね。花粉にご注意を!

さてさて、今年は昨年にもまして、ブログを充実させていきたいと思います。
目指せお茶狂ブログ更新率!!

手始めに公演鑑賞記録から。先日国立能楽堂で行われた公演の感想をさらっと書きたいと思います。


万作の会 ござるの座


小舞「雪山」
出演:野村裕基

すっかり成長した裕基君も今年から中学生です。茂山家のお猿さんたちを見た後だと、本当にお兄さんに見えます。声も格段にしっかりしてきました。
「雪山」は私も先輩から舞を、そして万作先生から謡いを習ったばかりなので、目を皿のようにして観察。


小舞「海人 玉之段」
出演:野村万作

能「海人」のクライマックス、龍の玉を海中に取りに行く「玉之段」を狂言小舞にしたものです。
万作先生、御年81歳とはとても思えない軽やかな舞でした。
地謡は・・・・毎回難関なんですよこれは^^; でも前聴いたときよりか合ってました。


粟田口
出演:野村萬斎高野和憲・深田博治

最近よく観ます。
今回は深田先生がすっぱで、萬斎先生が大名。後半の「粟田口!」「御前に!」のやり取りは何度観てもおかしく、更に深田先生がド真面目な顔で左右から顔を出すので、学生大爆笑です(笑


口真似
出演:野村裕基・野村万作・石田幸雄

スタンダード太郎冠者狂言とも言えますね。初舞台の演目なので、馴染み深いです。
子方が入ると、なんだかほのぼのとしつつ手のかかる息子を相手にしている感じが・・・(笑
小学生特有の鸚鵡返しを彷彿とさせます。
途中で台詞が逆転してしまっていた?という場面がありましたが、いいのかな?


素囃子「男舞」
1月から能管を教えて下さっていた栗林先生が出演されました。
お稽古中はわかりやすいように手本を吹いて下さっていたようで、本物はもっとうねるような?緩急のあるかっこいい音を出されていました。あれが吹けるようになりたいなあ・・・。
唱歌を覚えたおかげで舞囃子や素囃子が前より楽しめるようになりましたよ!
お囃子も習える狂言研!すごい!!


蛸 吐墨
出演:野村萬斎・竹山悠樹・月崎晴夫

今回のメイン演目は能仕立て狂言「蛸」。漁師に捕まってさばかれた蛸の亡霊が弔いを求めて現れます。
じつはここ最近何度かやっていたようなのですが、私はこれが初見。
前半笑いどころがあまりないせいか、後半とのギャップが凄いです。
幕の内側が見える正面席から徐々に広がる笑い・・・・


な、なんか頭に乗っけてきた・・・・!


赤頭の上に、蛸っぽいもの、いや、リアル蛸ちゃんが乗っています。
うにょろうにょろしています。
お辞儀の型なども手をうねうねさせて、なんとなく蛸っぽいイメージ。

さて今回は、萬斎先生考案、オリジナルの小書き「吐墨(とぼく)」が入ります。
読んで字のごとく、「墨を吐く」型がある小書きです。
色んなところで「能のある特殊な演出を用いた」とおっしゃっていました。
お好きな人なら、なんとなく分かると思います。
能の特殊演出のなかで、蛸がしゅわっと墨を吐く表現が出来るもの・・・


そうです。土蜘の糸です。

しかも今回の糸は特注。黒い糸なのです。
(実はある事情があって私は見る前からこれに気づいていました。)

墨吐きのある箇所は二箇所。
最初は下に向かって「ぴゅっ」という感じに小さく吐き出しました。
首を切られて苦し紛れに墨を吐く様子がよくわかります。
終曲、墨を「かきふく」という箇所で大きく前に吐き出します。おお!まさに蛸墨!!

蜘蛛の糸なんて派手な物を使うので強吟の派手な曲なのかと思いきや、わりとしみじみとした弱吟の曲でした。
この吐墨とリアル蛸の被り物が無い本来の「蛸」・・・ちょっと観てみたいです。



さて、長々と書いてまいりましたが、最後に今後の舞台の宣伝を少し。


★4月17日(火)早稲田大学狂言の夕べ
★4月26日(木)野村狂言
5月6日(日)よこはま万作・萬斎の会
6月9日(土)ざゞん座

★新入生の皆さんを、狂言の夕べ・野村狂言座にご招待いたします!
興味のある方は、ブログコメント欄でも、メールでもご連絡ください。
よろしくおねがいいたします(^▽^)ノ

by.Clara