早稲田大学狂言研究会の日記

早稲田大学狂言研究会 公式ブログ

  • 投稿者:筋太郎さん

国立能楽堂定例公演
2006年3月17日(金)
18:30開演

狂言『止動方角』(大蔵)
太郎冠者・・・茂山千之丞
主・・・茂山あきら
伯父・・・茂山千五郎
馬・・・茂山童司

馬上でのやり取りが長かった。寝てしまった。
でも、馬役の人が本当に馬に見えたのには驚いた。

それにしても、千五郎氏と千之丞氏の芸風の違いに驚くと同時に、千之丞三代の台詞回しのそっくりぶりにも驚いた。(驚いてばかりである)
千作さんは天真爛漫というイメージがあったが、昔の音声(先日NHK第二ラジオで放送された『首引』の鬼。まだ「十二世千五郎」だった頃)を聞くと「豪放な台詞回し」という印象が残る。
現千五郎氏の台詞は、父譲りの豪放さがあり、それが軽妙な千之丞氏、あきら氏と好対照をなしていたのが面白かった。

頼政(金剛)
シテ(老人・源頼政)・・・松野恭憲
ワキ(旅僧)・・・高安勝
ワキツレ(従僧)・・・塩田耕三、藤野藤作
アイ(所の者)・・・松本薫
笛・・・内潟慶三、小鼓・・・幸清次郎、大鼓・・・辻芳昭
後見・・・金剛永謹、廣田幸稔
地謡・・・工藤寛、宇�祇�∧匯格�─�亀叛橘Α∈篷槊�渡�⊆鐡墜三譟�ァ�明�蔽脇�法∨?莵源フ

狂言でちゃんと寝ておいたおかげ(?)で、能はバッチリ観ることができた。
ワキが不調だったのか言葉が聞き取りづらく、ワキとワキツレの謡も合っていなかった。一人だけ声が浮き上がって聞こえていたのだ。
アイも、声が所々かすれて気味で、安心して観られなかった。
共演者が決して好調とはいえない状況で、シテのがんばりだけが目立っていた。というより、頼政を見ているだけで私は満足だった。
取り立てていい出来ということではなかったとは思うが、しかし頼政の死に様が観られただけでも良かったと思う。