早稲田大学狂言研究会の日記

早稲田大学狂言研究会 公式ブログ

  • 投稿者:筋太郎さん

2005年1月9日(月) 午後一時開演
観世能楽堂

『翁』
翁…梅若万三郎
三番叟…野村萬斎
面箱…深田博治
千歳…八田達弥
『賀茂』素働
シテ(里女・別雷神)…梅若万三郎
前ツレ(里女)…梅若泰志
後ツレ(天女)…八田達弥
ワキ(神職)…森常好
替間『御田』
神主…野村萬斎
早乙女…高野和憲、月崎晴夫、竹山悠樹、深田博治
笛…一噌幸弘、頭取…幸清次郎、脇鼓…幸正昭、森澤勇司、大鼓…亀井広忠、太鼓…助川治
後見…梅若雅一、中村裕
地謡…青木健一、古室知也、長谷川晴彦、遠田修、加藤眞悟、青木一郎、梅若紀長、伊藤嘉章


平成18年、初めて観る能の会は、『翁』のシテと三番叟が、続く狂言でもシテとアイを務めるという、古式に則って行われたものでした。
二つの演目をいっぺんにやるわけで、負担は相当のものだと思います。
そして、その重労働ぶりの一端を垣間見ることが出来ました。
『御田』の最中に、萬斎師の声が突然かすれて、最後までそのままでした。
「喉の薬が切れたのかな」と思うくらいの代わりようでしたが、三番叟で声を出しすぎたのが原因のようです。

これについて、15日のNHKのラジオで万作師が次のように語られていました。
なんでも、「若い人は三番叟を踏むときに、勢いでやってしまいがち」なんだそうです。
それはのどに負担がかかるし、下手をすると声が枯れてしまうんだとか。
まさに同じ出来事が、萬斎師の上にも起こっていたわけです。

萬斎師の三番叟は素晴らしいものでした。
そしてそれと同時に、狂言方の中では萬斎師はまだ若手なんだなとも感じました。


狂言『福の神』
福の神…野村万作
参詣人…野村万之介、石田幸雄


万作師は今年で75ですが、舞台の上で観る限り、まだまだ大丈夫そうです。
身体に切れもあるし、声もよく響いていました。
やはり72年もやっている方はすごいです。


『菊慈童』
シテ(慈童)…梅若万佐晴
ワキ(勅使)…舘田善博
笛…藤田朝太郎、小鼓…幸正昭、大鼓…亀井実、太鼓…徳田宗久
後見…梅若泰志、梅若靖記
地謡…中村政裕、梅若久紀、日根幹祐、長谷川晴彦、遠田修、青木一郎、梅若善高、八田達弥